- 大筋
- 喜多さんのヤク中を直し"リヤル"を探し求める為に、弥次さんと喜多さんはお伊勢様参りへと旅立った、という話。
冒頭の「ドザエモンパズル」からお伊勢様へと旅立つまでの長めのアヴァンタイトルがすごかった。ハーレーにまたがって楽曲「東海道で行こう」とエンジン音がミックスされて、いきなり伊勢に到着するシーンは劇場の音響設備も手伝って鳥肌もの。これはすげーもんが始まるんじゃねーか、と。まぁ結局、俺の場合はそこがピークだったんだけど……
微妙な言い方だけどこの映画に前々から期待してた人ならほぼハズレはないでしょう。逆に「評判良いんで見にいこう」とかの人はダメかもしれんけど。こういう映画は劇場で大人数で笑い飛ばせる空気の中鑑賞した方が良い*1。「原作見てない」とかはあんまり関係なさそうです、かなりクドカン味に仕上がってるので。でも所々にしりあがり寿の念が残っているので、精神的グロを感じさせるシーンもちらほら。板尾創路演じる漫才師・浪速ホット師匠*2の最期のシーンとかヤバ目。
俺は主に想像力の欠如の問題で時代が劇嫌いなんだけど(まぁこの映画は時代劇じゃないか)チョンマゲの人が動いてる中でバックからナンバガやZAZENっぽい激しいギターサウンドが流れてくるのは相当シュールで良い。というか音楽良かった。ナンバガの人(向井なにがし)全然聴いたことなかったんだけど映画見て気に入った。でも、こんだけ音楽に力入れるんだったらもうちょっとミュージカル仕立てにした方が良かったかも知れん。『映画版サウスパークBigger Longer Uncut』ぐらいに。
クドカンの多段仕掛け
とろろ売りの「アーサー王」とかいうキャラが、サイババのビブーティーのごとく手からとろろを出すんだけど、俺前日にサイババのビブーティートリックの話をしてたから相当うけた。どんな時代錯誤だよ。クドカンの懐かしネタ・九〇年代ネタはすごく好み。
弥次さんと喜多さんがCDデビューするシーンでは、江戸時代の格好のままレコーディングスタジオで収録したり、オリコンチャート瓦版(?)で一位を取っちゃったりする。で、これは聞いて知ったんだけど、そのシーンで出てくる音楽ディスクはCD(コンパクトディスク)ではなかったらしい。なんかあれ、学研の付録とかに付いてくるヤツらしい。名前忘れた、なんとかディスク、ナノディスク?違うか。(追記:「ソノシート」でしたッ。naga117さんサンクス)そんな細かいところまで仕掛けてたんだ。そして、一瞬しか見えなかったオリコン瓦版の方でも一位以下の曲タイトル名でなんか仕込んでた感じがした。こういうところとか楳図かずおがシマシマの服とキノコをもって出てくるところとか、大人計画な人たちが出てくるところとかなんかはリピーターやDVDボッキスを予約買いしてしまう人に向けてのモノなんだろうけど。クドカンは前述の「ソノシート」のネタみたいのを含めた多段仕掛けが拾いきれないほど各シーンでなされているので相当やりこんでると思った。他にも伏線回収に見せかけた、かぶせネタとか。