速度、早さ、スピード。
そんな危なっかしいものにいつも惹かれていた。
大塚ギチ『東京ヘッド』
消費と速度が一体となり ぼくらをますます熱くさせる
何しろ速度はぼくたちの世代の『もう一つの祖国』であり、とても住みやすいものだ
寺山修司『速くなければいけない』
その頃 <大人>と呼ばれたぼくたちは ただ 流されるままに速度の中に身をまかせていた
僕は危険な生き方をしてみたかった。とことん行けるところまで自分を追いつめていって、行き着いた先で何が起きるか見てみたかった。
ポール・オースター『ムーン・パレス』
なぜだかその頃私は見すぼらしくて美しいものに強くひきつけたれたのを覚えている。
梶井基次郎『檸檬』
そしてぼくらは最高の快楽に出会った
しかし あとに残ったものはなんだ
私たちは、自分がそのような「無根拠なマッチョ」を流布しかねない当事者であることを、自覚しているのだろうか。結果として、そのようになってしまっている現在を、どこまで自覚しているのだろうか。
ササキバラ・ゴウ『おたくのロマンティシズムと転向』