佐藤友哉「クリスマス・テロル」


クリスマス・テロル invisible×inventor (講談社ノベルス)

講談社ノベルス創刊20周年記念密室本
メフィスト賞作家特別書き下ろし作品

“密室本”最大の問題作、あるいは傑作。孤島密室!

女子高生・冬子が「本物の衝動」に突き動かされてたどり着いた見知らぬ孤島。
そこで出会った青年から冬子はある男の「監視」を依頼される。
密室状態の岬の小屋に完璧にひきこもり、ノートパソコンに向かって黙々と作業をつづける男。その男の「監視」をひたすら続ける冬子。双眼鏡越しの「見る」×「見られる」関係が逆転するとき、一瞬で世界は崩壊する!
「書く」ことの孤独と不安を描ききった問題作中の問題作。あるいは傑作。

あんま。お腹いっぱい。今読んでも俺、佐藤友哉のこの後知ってるしなぁ、当時読めば印象違ったかも知れないけど。設定、つうか運びはポール・オースター軍曹の作品から引っ張ってきたみたいですよ。本家と比べてみると良いかも。この前読んだ書評ではこれが佐藤友哉入門にお薦めって書いてあったけど俺はそうはおもわんなぁ。これよりフリッカーのがお薦めなんじゃない、俺の嗜好がずれてるだけかもしれないけど。なにより鏡家サーガ書いたオトコっていう前知識が読者に入ってないとこの本で言いたいこと入ってこないわけだし。
鏡家サーガ本編の頃のアニメ漫画ゲームから出てきたような登場人物の台詞、設定、描写はだいぶ減ってる。まぁここが普通の人には読みやすいのかな。俺が佐藤友哉を気に入ってるのはそういうところや、しょーもねー"音楽ツウ"系のバンド名ポンポン出してくるとこや、明らかに読んでる方「萎えさせてやるぞ」みたいな挑戦的なとこがあるところ。
 この人、ひょっとしたら売れないままの方がいい作品書くタイプの人なのかも。
 ベストセラーで印税がっぽりとかになると、何か色んなことが解消されちゃいそう。
それだ!うんうんこいつもっと追い詰めるべきだよ。この後のやつも読みたいな。これより後の新刊は出てないんだっけ。文芸誌とかチェックするのはめんどくさいな。ああ、そういえば新現実VOL.1〜3が埃かぶってほかしたるわ。アレ読まないと。
返済期限とうに過ぎて図書館から催促来てるから残りのサリンジャーと「すべてがFになる」は今回は読めませんでした、また今度。これ以上図書館を起こらせたら何をされるかわからない、きっと水車に貼り付けられてグルグル回されるに違いない。僕は権力には弱い。

あとがき

佐藤先生ありがとう、おもしろい糞小説を書いてくれて。