その目はまるで、フクロウのようであった

ところで、今日は久々に普通の日記を書こうと思う。
今日は私用でアレで、アレして、アレな公的な紙ペらが要るとのことで、ザンボットみてーなかたちの市役所へ行ってきた。したり顔で使用を済ませて今度はまた別の私用でアレをアレして、なんに使うかはわからないがフク先輩に命令されたので「最近金回りのいい奴リスト」を作成にかかる。こいつもまたしたり顔で済ませてひまーになったので街を探索してみる。
思えばアレをアレしてこんなへんぴな街まで転がり込んできたけれど、僕はこの町のことを何も知らない。悲しいじゃないですか。そこで今日は幼き日を思いだし"タンケン"へ出ることにし、愛車で通りを流していた、愛車(ケッタ)で。カスタマチューンナップされた愛車(パンク気味)で。そうそう、あのチェーンカバーがセルフガルウィングのやつ。
心地よい秋風に心奪われ快走していると早速道に迷った。自宅から半径2km近辺で迷子になる俺。泣きそう。ココは屋外なので店内アナウンスも来ないしハルマゲドンだって来ない。側の電柱の下で僕だけに見える謎の老人が言った「因果応報じゃな」
ところで迷子になり安い奴の条件の一つに「ひねくれもの」があると思う。なぜなら僕はどんなに迷っても同じ道を引き返さず理論的に最良の角度で進行し同じ所をぐるぐる回ったり、見たこともない名前のコンビについたりするからだ。地図を読めない俺、話も聞かない俺、では最悪だ。
迸るパトゥス風味の汁も枯れ果てた頃に、とあるガード下というか陸橋の下へたどり着いた。と同時に来た道を引き返さなかったことに後悔をした。
すごい数の車が止まっている。異様なぐらい黒塗りで奥行きのある車体、白の毛筆で難しい字の方の「大日本帝国」、黒服のオッサンたちが隊列している。どうみてもGANTZ好き中年の"おぷ会"ではなさそうだ。しまった、こりゃぁライト・ウィングの方々の秘密基地だ!!
どうやら出動時間にばったり遭遇してしまったらしい。きっと、これから見たこともないナビゲーションのOSを操作して陸橋が割れて、校庭のプールも割れ、黒塗りカーが一台ずつ発射されていくに違いないでゲスよ!!。
そして黒服のおっさんと目が合う。

(ジィィーーー)

走った。
チューンカバーについているガルウィングも僕の奥歯と一緒にカタカタ鳴った。気がつくと見慣れた道、急いで帰宅。僕の心臓は異常な早さで脈打っていた。苦しい。


「これが……恋?」


そんな安野モヨコの新連載。

追記

今日は妄想ではない。ああ、一部妄想か。