村上春樹「羊をめぐる冒険」

羊をめぐる冒険
村上 春樹
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出版社/著者からの内容紹介
野間文芸新人賞受賞の青春三部作の長篇。僕と鼠のラスト・アドベンチャー。鼠から来た北海道消印の葉書から、僕は、すべてをすてて鼠を探す旅に出る。羊博士、ドルフィンホテル、羊男の哀しい青春の終り。

風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」三部作のラストから読んでしまうという大ポカ、鼠という人物が重要な役割を持っているらしいのだが一切説明がなくて物語にぽっかり穴の開いた感じだった。泣ける小説らしい。そうなのかな。僕が若造過ぎたのか、順番を間違えたせいなのか先の展開に興味がわかず読み終わるまでかなりの時間がかかった、物語でいうと"目的地"にたどり着くまでがすごくしんどかった。やっぱ長編はモチベ持続させて一気に読むべきですよ、一旦置いておくと退屈な日常でもなんやかんやあって、頭に入ってた物語がどんどん薄れていってしまう。
その点、一気に読んだ後半(というか終盤)は良かったです。不可解な展開で先が全くよめないし、おそらく村上的な登場人物のやりとりにも耐性ができてきて「いいんじゃない」ですませるようになったし、読後のもやもやした消化不良な感じもなんともいえない。村上ワールドと羊にムリヤリ引き込まれた感覚、今まで読んだ中でも不思議な気持ちにさせてくれる一冊でした。