アーケードゲームのヲタ化

「二次元美少女論―オタクの女神創造史」をどんなものか立ち読みした。おもしろそうな「第6章 ゲーセンの美少女」だけ流し読み。元祖アーケード版「ルパン三世*1の"ドット絵不二子ちゃん"からはじまり「スーパーリアル麻雀」をへて様々なジャンルのゲームに美少女キャラが投入されていくという図。またマンネリ気味だった同人誌市場に新たな活気を与えた「春麗」を初めとする"格闘美少女"の誕生などが書かれていた。
90年代半ば辺りからゲーセンはDQNのものからヲタのものとなっていったわけだけれども、この変化に最大の影響を与えたのが"二次元美少女キャラ"だと思う。格ゲーはどんどん美少女キャラの比率を増していったし、音ゲーを初めとする大型筐体のゲームも一時期のブームが去ってからというものゲームとは関係のないところで"美少女キャラ化"が進んでいった。
また、現在のようにゲーセンは廃れてしまっているのだけれども、その背景には家庭用ゲームの性能向上から、パチスロ、カラオケなどのアミューズメント産業に流れてしまった若者、アーケードを見限ったメーカーの方針などがあるが一方の原因としてシステムの複雑化が大きい。マンネリを防ぐために多種多様なゲームが出てきた結果、逆に初心者には取っつきにくくなって古株と新参の間に大きな層ができてしまった、「家庭用で練習しないとついて行けない」といったゲームは結構あります。しかし、双方の希望を叶えて尚かつ"ゲーセンでしかできないもの"をつくるのは非常に難しい。2D格ゲーに関して言えば「KOF」「ギルティギア」のようなシリーズのヒットで前時代にあった"囲碁・将棋的"な対戦格ゲーの楽しみは地下に潜ってしまった。満足に<消費>もされないビデオゲームの現状。→その2へつづく…か
今検索で引っかかったんだけどギルティプレイヤー「北辰」のここらへんの吐露が面白い。
http://blog.livedoor.jp/m-21_26865/archives/1098374.html

*1:【元祖アーケード版「ルパン三世」】固定マップ上のお宝を追ってくる銭形から逃げつつ集めるという単純なゲーム、駄菓子屋とか温泉とかに置かれていた類の初期ビデオゲーム