滝本竜彦「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」


ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ
滝本 竜彦
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内容(「BOOK」データベースより)
「ごめんなさい。やっぱり私はあいつと戦います」平凡な高校生・山本陽介の前に現れたセーラー服の美少女・雪崎絵理。彼女が夜な夜な戦うのは、チェーンソーを振り回す不死身の男。何のために戦っているのかわからない。が、とにかく奴を倒さなければ世界に希望はない。目的のない青春の日々を“チェーンソー男”との戦いに消費していく陽介と絵理。日常と非日常の狭間の中、次第に距離が近づきつつあった二人に迫る、別れ、そして最終決戦。次世代文学の旗手・滝本竜彦のデビュー作

NHKへ〜」が人気らしいので読んでみた。戦後民主主義だかフェミニズム的戦後だがを今読んでるので合間に見たこれは非常に読みやすくて後味も爽やかな青春小説だった。
著者自身がひきこもり体験をしたことからネガティブな若者の心理やネチネチしたものが表現できる、というのがこの人の売りなのだろう。実際、登場する自分物はどこか屈折しておりどこか著者自身のコンプレックスを投影したと思われる「キャラクター」ばかりだ。ただ、いまいち主人公の死んだ親友について説明不足感がある、ここが感情移入しづらいところ。中盤から疾走するように展開されていくストーリーの中でどこかテーマがあやふやになってしまっていた。
ところでこういうのは広義で云うライトノベルってヤツなんでしょーか(ひきこもり世代ってなんだ)、若い人向けなんだなと思いました。安倍吉俊のイラストは好き。