大槻ケンヂ『新興宗教オモイデ教』


1カ月前に学校から消えたなつみさんは、新興宗教オモイデ教の信者になって再び僕の前に現れた。彼らは人間を発狂させるメグマ祈呪術を使い、怖るべき行為をくりかえしていた―。狂気に満ちた殺戮の世界に巻き込まれてゆく僕の恋の行方は?オドロオドロしき青春を描く、著者初の長編小説。
もっとどろどろぐちゃぐちゃしたデキのものだと思っていたけど案外しっかり書いてて普通に読めるじゃんとビックリ、しかも初長編だったのかー。よー書いたわ。
主人公とか良い。力持ってるけど事態に消極的。エヴァ的だ(この言葉使いたかった)。奇妙なおじさんキャラである「中間」も重要だ。そして、アングラバンドの無茶苦茶なパフォーマー達をモデルにしたという「ゾン」が良い味出している。「これでいいのだ」的結末も読後にせつない余韻を残す。あとタイトルの語感が良い、「オモイデ」って単語を入れているあたり。
<ぼく>はメグマ波という爆弾を行使しなかったけど、これを『ザ・ワールド・イズ・マイン』でモンという爆弾を手に入れた後のトシと比べてみたりして「無力な自分」「弱者」「セカイ」あたりをキーワードに何か語れそうな。
「この作品はPCゲーム『雫』に多大なる影響を与え……」とかしたり顔で語り出したいけど『雫』名前しかしらんわー。
【3】
新興宗教オモイデ教 (角川文庫)

新興宗教オモイデ教 (角川文庫)