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わかりにくい喩えをする名探偵

「わしの妻を真犯人だというからには、それなりの理由があるのだろうな」
「もちろんです」
「ではまず、あの密室状況下でいかにして山頭火氏を殺害できたのか証明せよ」
「はい、今回の事件は実に巧妙なトリックを用いられていました。そう、喩えるなら我々が普段何となく食べているカップラーメン。これの完成過程を今回の密室状況のそれとしてみましょう。まず一般的なカップラーメンの作り方は、最初にかやくと粉末スープをを入れ熱湯を注ぎ込み何分か置き、そして食べる直前に液体スープを入れてできあがりです。これが当初、今回の事件の密室トリックとされていた方法です。しかし、カップラーメンの作り方は何もこれ一種類ではありません、少し値の張る商品ではまず最初に熱湯で麺をほぐすもの、かやくは最初の段階で既に麺に絡んでいるもの、粉末スープと液体スープを食べる直前同時に入れるものもありますし、その過程は様々です。今回の事件に照らし合わせると、まず第一段階に想定した密室トリックは「麺の達人」でした、所が思わぬ事実の発覚からどうやら「ラ王」であることが判明しました。しかし、第二の事件後の天一氏の行動から、実のところ真相は<<最初からカップヌードルだったのだ>>と私は確信しました。カップヌードルではあけるべき材料などははじめからなく、熱湯を注ぐだけで完成してしまいます。何てお手軽なのでしょう。そして今回の密室状況……

……もうお分かりですね?」

「いや全然わからん」