那須博之監督「デビルマン」


デビルマン
ASIN:B0001M3XH4

解説: 神と悪魔の闘いを描いた日本漫画の傑作、永井豪の「デビルマン」を映画化したファンタジー・エンターテインメント。実写とCGの見事な融合で神、悪魔、人間の闘いがリアルに描かれる。孤高のヒーロー・不動明役には人気ユニットFLAMEの伊崎央登。同ユニットの伊崎右典飛鳥了を演じる。ヒロインは『バトル・ロワイアルII【鎮魂歌】』の酒井彩名。監督は『ビーバップ・ハイスクール』の那須博之が務める。終盤にかけてのデビルマンとサタンの芸術的なまでの美しい闘いは圧巻。
ストーリー: 両親を事故で失った不動明伊崎央登)は美紀(酒井彩名)の両親の好意により、牧村家に引き取られ幸せに暮らしていた。一方、幼なじみの了(伊崎右典)は勉強もスポーツも万能で、明にとってあこがれの存在だった。
(Yahoo!ムービー - デビルマン)

注---ネタバレ含みますがこの映画に関してはたいした問題ではありません。---注

久々に良い糞映画を見ました。糞映画のいい所は笑えることと話のネタになることですよね。また、那須監督の経歴が見事で監督作の欄には、『ピンチランナー』や「ヤンキーもの」といった、そうそうたる糞映画が並んでいました。(ビーバップハイスクールとかはまぁ良い映画なんですが)
この映画に関しては超映画批評以外の情報を入れずにただ"どうやら糞映画らしい"ということだけ前知識を持っていったのでそれが幸いしました。
一言でこの映画のテイストを言い切っちゃうなら"新世代(平成)仮面ライダー・グロ祭り版"という表現がいい気がします(特にライダーは関連しないんですが、特撮具合、世界観はよく似ている)*1実際、主演の伊崎君は何回かオンドゥル語をしゃべります。
「ホォヴェ!!エーモン!!」
僕は永井豪の原作漫画を「悲惨らしい」という動機からラスト数話しか読んでないので、映画が漫画に忠実なのかどうかは分かりませんが、"やたら出てくる説明台詞"と"あまりにも救われないストーリー展開"から原作に非常に近いモノと判断しました。とにかく、展開が早いです、そしてグロくて救われないです。原作を読んでいることが前提なのかな、とも思いました。
劇場では公開直後で祝日の昼間にもかかわらず入りは2,3割。前の席に座っていたおそらくアニメ「デビルマン」をリアルで見ていた世代のお父さんと、どうやらこのショッピングモールに「ムシキング」目的で来たと思われる小学校低学年ぐらいのトンガリキッズのその後が心配です。大きなトラウマにならなければよいのですが。
この映画は非常にコメディ映画のツボを押さえています、前半飽きない程の間隔でちりばめられた"爆笑シーン"。デーモンの巣窟になっている教会に政府が皆殺しにしようと銃撃するシーンラストで教会の奥から突然出てくるKONISHIKIとか*2、アキラがデビルマンであることをオジサンにバレてしまったときのリアクション「フゥア〜〜ウア!!」とか。街頭ビジョンでデーモン進行のニュースを伝える"キングギドラ"ことボブ・サップとか、ワンシーンだけ流れるK-DUBの曲とか。鳥肌実とか永井豪が出てくるとことか。
度々くるこんなシーンに僕は笑いをこらえるのに必死で、ふと周りの人を見ても同じ様子でした。そして後半につれての泣かせる展開、お見事です。
残虐描写も見事でしたね。まさか、酒井彩名の生首が刃物にブッ刺さってる場面をやるとは思いませんでしたが。そういえば彼女はBRⅡにも出ていましたね(劇場に見に行きました)、このまま糞映画クイーンの座を維持して欲しいモノです。でも今作では高校生役にしてはちょっと老けてたかな?でも美人さんだと思います。
戦闘シーンは「セガサターン並のCG」とかとやかく言われていますけど個人的には非常にカッコイイと思っています。寺田克也がデザインしたそうで。ただ、デビルマンの半裸に特殊メイク時と全CG時の違いが僕にはよく分かりませんね、CG時のが強いことは分かりますが。崩壊後の世界は実写版ベルセルクを思わせます。
そういえば、冨永愛のふとももを拝みに来たと思われる高カロリーな男性が上映途中に退場してしまいました。もったいないですね、こんな名作を最後まで見ないなんて。終了直後は、隣の高校生カップルのお揃いの"苦虫噛み潰しフェイス"が印象に残りました。

追記(05/02/28)

なんか、YAHOO!検索「那須博之」経由で沢山人がきてるので(何故か上位に表示されるイヤガラセ)、何事かと思ったらこういう事ですか。おくやみです。訃報を聞いたところで作品に対する評価は変わらないんですけど、那須監督『デビルマン』が遺作になるんですかね。最後にでっかい花火を打ち上げたもんです。後々まで語り継がれる映画になることになるでしょう。次作予定だった哀川翔主演「真説タイガーマスク」はどうなるんでしょうか。

追記

デビルマン』に対する各方面のレビューはここのまとめを参照。うちも載ってますが、僕は別にアンチというわけではないですけどね。あれはあれで「面白さ」が出てると思いますし、入場料払ったかいがありました。「糞映画を笑い飛ばす俺カコイイ」という側面もなきにしもあらずですが、僕はそういうつもりで感想書いてはいないです。

こんなのもあるのか……

手動トラバ風リンク

//blog.drecom.jp/excite/archive/1486">この三連休は「デビルマン」で(モテゼミ-安藤美姫ファンブログ):
スクープ!この三連休にあの『デビルマン』が上映!三連休の映画情報をいろいろ調べていたら、なんとなんと、あのデビルマンが3/20、3/21と上映されるとのこと!!ラッキー!那須博之監督がご逝去されたのでそれ関連でしょうか。(全文を読む)

この機会に是非大画面で名作『デビルマン』を!

*1:【新世代ライダー・グロ祭り版】ライダーは言い過ぎかな、ヴァンパイアホスト当の深夜ドラマのがいいかも知れない。金のかかってるシーンはすごいけど。

*2:KONISHIKI蜂の巣シーン】ここは、寄生獣の広川市長を思い出した。KONISHIKIもデーモンには変身しなかったし。